靴下の秘密

剣を持たずに白い花を飾って

笑顔を添えて

お歌ラララ歌って



Coccoの「靴下の秘密」が頭の中を駆け巡る



夢を見て走ることを忘れた

首に吊るした鍵をそっと睨んだ。

幼い私は全部知ってた



あの人の苦しみや、傲慢や、暴力行為に快感を覚えていること

あなたは我慢しなければならない

それで全て収まるのよと

生まれた殺意も憎しみも全部飲み込んで、幼い魂は、死んだ

暗くて冷たい水の底から微かな波紋が広がっていた

底にいたのはずっと

周囲は暗い木々で、時間は夜だった

手のひらで水面を探してはもがいた

幼い手のひらで水の底に触れては

心の中で泣いた

誰かを殺してしまった気がする

ずっと昔に

呼吸ができなくて苦しくて首を抑えて

何かが止まった

もう少しで水面

ふと底を見たら

小さな私が泣いていた

置いていったのは私

全て見ていたのは水底の貴女

なにもかも知っていたのに

知らないふりをしたのは私

理解して独り水面を見上げ続けていたのは貴女

時折両手を伸ばしては

小さな貴方は多分

泣いていた